軽貨物の仕事は、荷物の量や契約によって、1日の長さが大きく変わります。忙しい時期には、気づけば朝から夜まで車に乗っていた、ということもあるかもしれません。
長く働きすぎると、眠気や疲れがたまり、事故につながりやすくなります。この記事では、働く時間の目安になる「拘束時間」の考え方と、休憩の取り方、記録のつけ方を紹介します。
拘束時間とは
拘束時間は、仕事を始めてから終えるまでの、休憩も含めたすべての時間のことです。運転している時間だけでなく、荷物の積み込み、荷物の受け渡し、荷待ちの時間、そして休憩の時間も含みます。
たとえば、朝7時に乗務前点呼をして、夜7時に乗務後点呼をしたなら、途中で1時間休んでいても、拘束時間は12時間です。「休憩をとったから短くなる」わけではない点に注意しましょう。
目安になる「改善基準告示」
働く時間の目安として参考になるのが、国が定めた「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」です。「改善基準告示」と呼ばれ、トラック運転者向けの内容は2024年4月に見直されました。
この基準は、会社に雇われて働く運転者に向けたものです。業務委託で働く個人事業主に、そのまま当てはまるものではありません。それでも、体を守るための目安としてとても役に立ちます。また、取引先から働く時間の管理について確認されることもあるため、考え方を知っておくと安心です。
ここからは、トラック運転者向けの基準のうち、毎日の働き方に関わるものを紹介します。
1日の拘束時間:13時間と15時間
- 1日の拘束時間は13時間以内が基本です。
- 延ばす場合でも、上限は15時間とされています。
- 14時間を超える日は、1週間に2回までが目安とされています。
1日だけでなく、1か月・1年の拘束時間にも上限があります。くわしい時間は、厚生労働省や国土交通省の案内で確認してください。
次の仕事まで:11時間の休息
仕事を終えてから次の日の仕事を始めるまでの時間を「休息期間」といいます。トラック運転者向けの基準では、続けて11時間以上あけるよう努めることが基本で、少なくとも9時間を下回らないこととされています。
たとえば、夜8時に仕事を終えたなら、次の日に仕事を始めるのは朝7時以降、という考え方です。休息期間は、睡眠・食事・お風呂など、体を回復させるための時間です。夜遅くまで働いた次の日に、いつもどおり早く出ると、睡眠が足りなくなってしまいます。
運転の途中の休憩:連続運転は4時間まで
続けて運転するのは4時間までが目安です。4時間たつまでに、合わせて30分以上、運転を中断して休みます。中断は、1回おおむね10分以上であれば、分けて取ってもよいとされています。
配達の仕事では、荷物を届けるたびに車を降りますが、それだけで十分に休めているとは限りません。意識して、車を止めて体を休める時間をつくりましょう。
目安のまとめ
| 項目 | 目安(トラック運転者向けの基準) |
|---|---|
| 1日の拘束時間 | 13時間以内が基本。上限15時間(14時間超は週2回までが目安) |
| 次の仕事までの休息 | 続けて11時間以上が基本。9時間を下回らない |
| 連続運転 | 4時間まで。合わせて30分以上の中断(1回おおむね10分以上) |
細かい決まりや例外は、見直されることがあります。最新の内容は厚生労働省・国土交通省の案内で確認してください。
1日の例で考える
ある1日の流れを例に、どこで時間を気にするとよいかを見てみます。時刻はあくまで例です。
| 時刻(例) | すること | 点呼からの時間 |
|---|---|---|
| 7:30 | 乗務前点呼・日常点検・積み込み | 0時間 |
| 8:30〜12:00 | 午前の配達 | 1〜4時間30分 |
| 12:00〜13:00 | お昼の休憩 | 4時間30分〜5時間30分 |
| 13:00〜18:00 | 午後の配達(途中で15分ずつ2回休憩) | 5時間30分〜10時間30分 |
| 18:30 | ここで11時間。残りの仕事を見直す | 11時間 |
| 19:30 | 乗務後点呼・記録 | 12時間 |
この例では拘束時間が12時間で、基本の13時間におさまっています。翌日の始まりは、11時間の休息をとるなら朝6時30分以降になります。
13時間に近づいてからあわてるのではなく、11時間ほどたったところで一度、残りの仕事と終わりの時刻を見直すと、無理のない調整がしやすくなります。
荷待ちや渋滞で長くなるとき
拘束時間が長くなる原因は、運転だけではありません。荷物の積み込みを待つ「荷待ち」の時間や、思わぬ渋滞、再配達の多い日なども、1日を長くします。荷待ちの時間も、拘束時間に含まれます。
こうした時間が続くときは、次のようなことを考えてみましょう。
- 待ち時間を記録しておく:何時から何時まで待ったかを残しておくと、契約先に相談するときの材料になります。
- 早めに相談する:毎日のように長くなるなら、量や時間帯の見直しを契約先に相談します。
- 次の日で調整する:長くなった日の次の日は、始まりを遅らせて休息の時間を確保します。
働きすぎを防ぐコツ
- 休憩を先に予定に入れる:お昼の休憩と、午後のひと息(たとえば15分ずつ2回)を、あらかじめ1日の予定に入れておきます。
- 終わりの時刻を決めて出る:「今日は何時までに乗務後点呼をする」と決めておくと、ルートや休憩の入れ方を考えやすくなります。
- 眠気のサインを見逃さない:あくびが続く、さっき通った道を思い出せない、車線からはみ出しそうになる。そんなときは、安全な場所に止めて休みます。短い仮眠なら15〜20分ほどがひとつの目安です。
- 始まりと終わりの時刻を記録する:乗務前点呼と乗務後点呼の時刻を残しておけば、拘束時間はあとから正確に数えられます(点呼のやり方)。
- 月に一度ふりかえる:長くなった日が続いていないか、休息が短い日がなかったかを見返して、次の月の働き方に生かします。
働いた時間の記録は、2025年4月から求められている業務記録とも関わります。決まりの全体像は記録義務化の解説をご覧ください。
ドラログならこう記録できる

「ドラログ」は、働いた時間を記録しながら、働きすぎを見守ります。
- 乗務前点呼からの経過時間を数えて、11・13・15時間でお知らせ(改善基準告示の目安)
- 設定すれば、上限を超えたところで点呼以外の記録を止めることもできます
- 「出勤簿」で、始業・終業・拘束・休憩・走行距離を1日ごとに一覧。13時間・15時間を超えた日は色でわかり、A4縦で印刷できます
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この記事は、軽貨物の仕事についての一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は見直されることがあります。くわしくは国土交通省・運輸支局・税務署の案内で確認してください。