軽貨物の仕事は、車が止まると仕事も止まってしまいます。毎日長い距離を走り、荷物も積むので、ふつうに乗る車よりも傷みが早く進みます。
そこで大切なのが、走り出す前の「日常点検」です。この記事では、日常点検で見るところの例と、点検を記録に残すコツ、異常を見つけたときの動き方をまとめます。
日常点検とは
日常点検は、毎日、走り出す前に、車の状態を自分の目と手で確かめることです。事業用の車は、1日1回、運行の前に点検することが求められているとされています。
点検する項目は、国土交通省の「日常点検基準」で決められています。この記事で紹介するのはその例です。正式な項目や、自分の車に当てはまる内容は、国土交通省の案内や車の取扱説明書で確認してください。
慣れてくると、ひと回り数分で終わるようになります。毎日見ていると、「いつもと違う」に気づけるようになるのが、日常点検のいちばんの効き目です。
点検は3つの場所で、決まった順番に
点検は、場所ごとにまとめて、毎日同じ順番で行うと抜けが出にくくなります。たとえば次の順番です。
- 車のまわり:タイヤ、ライト、荷台のドアなど、外から見えるところ
- エンジンルーム:ボンネットを開けて、液の量やベルトを見る
- 運転席:エンジンをかけて、ブレーキやワイパーの動きを確かめる
軽バンは、座席の下などにエンジンがある車種もあります。自分の車のどこに何があるかは、取扱説明書で一度確かめておきましょう。
主な点検の場所(例)
車のまわりで見るところ
- タイヤ:空気圧は足りているか、ひび割れや傷はないか、かたよった減り方をしていないか、溝は十分か
- ライト・ウインカー:ヘッドライト、ブレーキランプ、ウインカーなどが点くか、汚れや割れはないか
- 荷台のドア:しっかり閉まるか、鍵がかかるか
- 車の下:オイルや水のもれたあとがないか
エンジンルームで見るところ
- ブレーキ液:量は決められた範囲にあるか
- 冷却水:量は足りているか
- エンジンオイル:量は足りているか、汚れすぎていないか
- バッテリー:液の量は足りているか(点検できる車種の場合)
- ウインドウォッシャー液:量は足りているか
- ファンベルト:張りぐあいはよいか、傷はないか
運転席で見るところ
- ブレーキ:ペダルの踏みしろとききぐあい、駐車ブレーキの引きしろ
- エンジン:かかりぐあいはよいか、異音はないか、低い回転や加速のときの調子はどうか
- ウォッシャーとワイパー:液がきちんと出るか、ワイパーがきれいにふき取れるか
前の日に気になったところ
前の日の運転中に異常を感じたところは、とくにていねいに確認します。乗務後点呼で「ブレーキのときに音がした」などと残しておくと、翌朝の点検で見落としません(点呼のやり方も参考にしてください)。
軽貨物の車で、とくに気をつけたいところ
- タイヤの空気圧と減り:荷物を積んで走るため、タイヤの減りが早くなりがちです。空気圧が足りないと、燃費も悪くなります。
- ブレーキとオイル:毎日長く走り、止まったり発進したりをくり返すので、ブレーキやオイルの傷みも早めです。
- 荷台のドアと荷室:ドアがしっかり閉まらないと、荷物の落下につながります。荷室にこぼれたものや、ごみがないかも見ておきます。
- 季節の変わり目:寒い時期はバッテリーが弱りやすく、暑い時期は冷却水の不足に注意します。季節が変わる前に、整備工場で見てもらうと安心です。
毎日の点検に加えて、週に一度は、タイヤの溝やオイルの汚れ、車の外まわりの小さな傷などを、少しくわしく見ておくのもおすすめです。
車に積んでおくと便利な道具
日常点検は、道具が手元にあるとぐっと早く、正確になります。たとえば次のようなものです。
- タイヤの空気圧計(エアゲージ):見た目では分かりにくい空気圧の不足に気づけます。
- 懐中電灯:朝の暗い時間や、エンジンルームの奥を見るときに使います。
- 軍手と布:オイルの量を見るときや、ライトの汚れをふき取るときに便利です。
- 車の取扱説明書:液の量の目盛りの位置や、決められた空気圧が書いてあります。
決められたタイヤの空気圧は、運転席のドアのあたりに貼られたラベルなどで確かめられる車が多いです。荷物を多く積む日は、とくに空気圧に気をつけましょう。
点検を記録に残すコツ
日常点検は、やっただけでなく、記録に残しておくことが大切です。記録には、たとえば次のような内容を残します。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 日付 | 例:10月8日 |
| 車 | ナンバー |
| 点検した人 | 氏名 |
| 各項目の結果 | よし / 異常あり |
| 異常の内容 | 例:左前のタイヤの空気圧が低い |
| したこと | 例:ガソリンスタンドで空気を補充 |
続けるためのコツは次のとおりです。
- その場でつける:点検しながら、または点検の直後に記録します。あとでまとめて書くと、抜けや思い違いが出ます。
- 毎回同じ順番で:記録の項目の順番と、点検する順番をそろえると早く終わります。
- 写真を残す:タイヤの傷やもれたあとなどは、写真にとっておくと整備工場に説明しやすくなります。
- 整備の記録と領収書もとっておく:修理や整備の費用は、確定申告の経費にもなります(確定申告の記事)。
異常を見つけたら
- 無理に走らない:ブレーキやタイヤなど、安全に関わる異常があるときは、その車で走り出さないことが第一です。
- 整備工場に相談する:かかりつけの整備工場を決めておくと、車の状態を続けて見てもらえます。
- 契約先に連絡する:遅れや休みになりそうなときは、早めに伝えます。
- 記録に残す:見つけた異常と、直したことの両方を残しておきます。
定期点検と、車検・保険の期限も
日常点検とは別に、事業用の車には3か月ごとの定期点検が求められているとされています。あわせて、車検や自賠責保険の期限、運転免許の更新も、仕事を続けるうえで切らしてはいけないものです。カレンダーに入れておく、期限が近づいたら知らせてくれる道具を使う、などの工夫をしておきましょう。
点検の項目や時期は、車の種類や使い方によって変わることがあります。くわしくは国土交通省・運輸支局の案内や、車の取扱説明書で確認してください。
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- ブレーキ・エンジン・灯火・タイヤなどの日常点検を毎日チェック。まとめてチェックもできます
- 3か月ごとの定期点検も、同じアプリで管理
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この記事は、軽貨物の仕事についての一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は見直されることがあります。くわしくは国土交通省・運輸支局・税務署の案内で確認してください。